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空き家の取り壊しはいつまで?
 

 

被相続人の居住用家屋と敷地を相続したものの、今後住む予定がなく売却する場合、譲渡益の3000万円控除(相続空き家の特例)を受けるには、相続人の側で空き家を取り壊し、更地で売却することが現実的です。

 
空き家取壊しのメリット、デメリット

空き家を放置するとゴミが不法投棄され、台風で屋根が飛ばされるなど近隣に被害を及ぼして苦情を受けるリスクが生じますが、取り壊すことで回避できます。

一方で空き家の取壊しには、工事費用がかかるほか、アスベストの飛散防止をはかることの行政への届け出、近隣への事前説明など環境に配慮した手続きの義務が生じます。

また、すぐに売却先が見つからずに更地のまま1月1日を迎えた場合、固定資産税・都市計画税に小規模住宅用地の減免措置(200㎡まで固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に減免)は適用されません。


特例の適用要件

相続空き家の特例を受けるには、以下のような要件があります。

①相続開始直前に被相続人が一人で居住していたこと

②区分所有建物でないこと

③昭和56年5月31日以前の建築であること

④譲渡金額は1億円以下

⑤相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること

⑥耐震基準に適合するよう空き家をリフォームしてから売却、または取り壊して更地で売却すること

取壊しは売却前に相続人で行う

以上の要件から空き家の取壊しは売却前に実施しないと特例が適用されません。

売主としては取壊しが面倒なので買主に依頼し、その分、売却価格で調整して済ませたいと考えたくもなりますが、この場合は譲渡後の取壊しとなるので、3000万円控除を受けることはできません。

なお、譲渡所得の申告に際し、譲渡日を引渡日とする方法と契約締結日とする方法を選択できますが、譲渡日を契約締結日とする場合は、空き家の取壊しは契約前に済ませるよう注意が必要です。


空き家を相続したときは

3000万円控除を受けるには、特例の適用要件を満たしていることを確認し、解体業者から工事費の見積りを先に取得します。

不動産仲介会社で売却先が見つかったときは、売主の側で空き家を取壊すことを条件に解体工事を発注し、売買契約では更地での譲渡、工事完了後の譲渡日の設定がポイントになりそうです。

相続空き家の取壊しは売却前に済ませられるか検討しましょう