人事労務ニュース
- 平成29年10月より最長2歳まで育児従業が取得可能に
今年1月に介護休業の分割取得等が盛り込まれた改正育児・介護休業法が施行されました。これに続き、今年3月にも育児・介護休業法が再度改正されており、平成29年10月より施行されることが決まっています。1年に2度の改正という異例の事態となっていますが、その内容は以下の3点になります。
1.育児休業期間の延長
現在、育児休業は原則として子どもが1歳(パパ・ママ育休プラスの場合には1歳2ヶ月)に達する日までとされていますが、1歳に達するときに保育園に入れないといった一定の理由がある場合には、子どもが1歳6ヶ月に達する日まで延長することができます。
これが2017年10月より、この延長の再度の申請が認められることになりました。具体的には、1歳6ヶ月以後も保育園に入れないといった一定の理由がある場合には、再度申請することにより、最長、子どもが2歳に達するまで育児休業を延長できるようになります。なお、再延長した期間について、雇用保険の育児休業給付金の給付期間も延長されることになっています。
2.育児休業制度等の個別周知
女性の育児休業の取得率は、ここ10年ほど継続して80%を超えていますが、男性の育児休業の取得は平成27年度で2.65%と低迷しており、政府としてはこの取得率の向上を目指しています。
育児休業を取得しなかった理由として、「職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だった」という理由が一定数あったことを考慮し、2017年10月より従業員またはその配偶者が妊娠・出産した場合には、個別に育児休業に関する社内制度などを周知することを努力義務としました。なお、この対象は育児休業だけではなく、家族を介護していることを知った場合に、介護休業に関する社内制度などの周知も含まれています。
3.育児目的休暇の新設
改正点の最後の一つは、育児目的休暇を新設するという努力義務です。育児目的休暇とは、小学校入学前の子どもを育てながら働く従業員が子育てしやすいよう、育児に関する目的で利用できる休暇のことを言います。具体例としては、配偶者出産休暇やファミリーフレンドリー休暇、子の行事参加のための休暇等が挙げられます。この休暇は特に男性の育児参加を促進するために新設されるものであり、有給休暇とする必要はなく、取得しやすいように制度化することが重要視されています。
少なくとも1.については、育児・介護休業規程の変更が必要となります。2・3については努力義務に留まっていますが、自社の従業員のニーズにも耳を傾けながら、どのように対応するかを検討しておきたいものです。