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6月上旬より始まる協会けんぽによる被扶養者資格の再確認
 

 

 全国健康保険協会(以下、「協会けんぽ」という)では、健康保険の被扶養者になっている人について、毎年一定の時期に被扶養者の要件に該当しているかの確認を行っています。

 この確認は、要件に該当しない被扶養者により、医療費および高齢者の医療費への拠出金が不当に高くなることで、保険料が増加することを防止する目的で行われるものです。

 今回はこの再確認の概要についてとり上げましょう。


1.平成28年度に行われた被扶養者資格の再確認の状況

 被扶養者資格の再確認は昨年度も行われましたが、その際、被扶養者から削除となった人は約7.0万人(平成28年10月末現在)となっており、結果、22.7億円程度の高齢者医療制度への負担削減効果が見込まれたと発表されています。
 被扶養者から削除となった主な理由としては、「就職したが削除する届出を年金事務所へ提出していなかった」というものがほとんどを占めていますが、収入超過によるものも見られました。


2.被扶養者資格の再確認の概要

 今年度の被扶養者資格の再確認の対象者、再確認の方法、実施時期は以下のとおりとなります。

(1)対象者
 再確認はすべての被扶養者に対して実施されますが、以下の被扶養者については除かれます。
 (ア)平成29年4月1日において18歳未満の被扶養者
 (イ)平成29年4月1日以降に被扶養者の認定を受けた被扶養者
 (ウ)任意継続被保険者の被扶養者

(2)再確認の方法
 再確認は協会けんぽから会社に送付されてくる被扶養者状況リスト(以下、「状況リスト」という)に従い、被扶養者の要件を満たしているかについて、各被保険者に対して行うことになります。
 要件を満たしていない場合、状況リストに同封されている被扶養者調書兼異動届を作成し、該当する被扶養者の健康保険被保険者証を添付し、協会けんぽに返送します。
 ただし、この届出で手続きを行う場合には、提出から処理が完了するまで1ヶ月ほどかかることもあるため、処理を急ぐときには、通常の手続きである健康保険被扶養者(異動)届を年金事務所へ提出することにより行ってください。

(3)実施時期
 状況リストや再確認に関する説明が記載されたリーフレット等は、6月上旬から順次会社へ送付されることになっています。
 到着後、再確認を実施し、7月31日までに協会けんぽに返送しましょう。


 子どもや配偶者が4月に就職して被扶養者の要件に該当しなくなったにも関わらず、手続きが行われていないケースもあるかも知れません。
 この機会に被扶養者の要件に該当しているかをしっかり確認しておきましょう。