税務会計ニュース
- 間違えやすい個人事業主の「一部廃業」手続き
[相談]
個人事業で、サービス業と建設業を行っていますが、今年3月に建設業を廃業しました。
廃業届は必要ですか?
[回答]
納税地を所轄する税務署長宛に「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要になります。
[解説]
居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、その旨を記載した「個人事業の開業・廃業等届出書」を、その事実があった日から1ヶ月以内に、税務署長に提出しなければなりません。
その届出書の記載にあたっては、「所得の種類」欄には、新たに開始した事業又は廃止した事業に係る所得の種類について、該当するものを○で囲み(事業所得を生ずべき事業を2以上(例えば、小売業と建設業など)行っている者がその事業の全部を廃止する場合は「全部」を、その事業の一部を廃止する場合は「一部」を○で囲む。)、「一部」を○で囲んだ場合には、廃止する事業を括弧内に簡記します。
本件、個人事業主でサービス業と建設業という2つの事業所得のうち、建設業を廃業する場合は、事業の一部廃業に該当するため、「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要になります。
事業の「一部廃止」の場合、間違えないようにしたいのは、次の届出書は提出しないということです。
①所得税の「青色申告の取りやめ届出書」
②消費税の「事業廃止届出書」(引き続き、消費税の課税事業者である場合)
③給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(引き続き、給与を支払う場合)
なお、廃業した事業の、廃業後に生じた経費は、廃業年の必要経費に算入することができますのでご注意ください。
また、廃業年の翌年の予定納税については、翌年の7月1日から7月15日まで(第1期分及び第2期分の減額)、または同年の11月1日から11月15日までに「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」を税務署に提出すれば、予定納税額の減額が認められることも併せてご確認ください。
参考条文等:所法229